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PET、APET 透明プラスチックケースの製造で、つや消しマットな風合いを出す業界主流手法は二つ。一つは製造段階で全面つや消し加工されたマットフィルムを裁断・印刷・成型する方式、もう一つは光沢フィルムに印刷後、全面または部分にUV マットニスを塗布・硬化させマット感を出す方式である。二つの加工法は適用シーン、コスト、質感、環境適合性に大きな差があるため、詳しく長所・短所を解説する。
フィルム製造工場の圧延・コーティング工程で一体的につや消し曇り面を成形(片面マット仕様)。印刷工場はそのまま裁断、印刷、型抜き、折り加工が可能で、別途 UV ニス塗布工程が不要。
1.マット質感が全域均一でムラがないシート全体の曇り度が統一され、印刷網点や膜厚ムラが発生せず、滑らかな手触り。長期保管しても部分的な白濁・マット層剥がれが起きない。
2.表面耐擦傷性に優れ耐久性が高いマット層が基材と一体化し、硬度 2H~3H を実現。輸送積載摩擦で傷が付きにくく指紋防止効果が安定、長期店頭陳列向け。
3.工程が簡略化、大量生産の安定性が高いUV ニス塗布工程を省略でき、印刷後すぐ罫線・型抜きが可能。納期短縮、大量ロットの不良率低下につながる。
4.耐熱・耐溶剤性能が良好PET マット基材は 120℃以上の高温に耐え、高温倉庫保管でも曇り層が剥離しない。アルコール拭き取りに強く、化粧品内容物による表面シミも発生しにくい。
5.輸出環境規格に適合しやすい余分なインクコーティングがない単一素材のためリサイクル容易。EU の REACH 規制、食品接触規格に適合、UV インク溶出リスクがなく海外税関検査通過率が高い。
1.部分マット加工不可、全面つや消し限定シート全体に曇りがかかるため、ロゴ・窓部分だけ光沢、その他をマットにする明暗対比デザインに対応できず、デザイン自由度が低い。
2.素材単価が光沢フィルムより高い同厚みの透明光沢 PET と比較し原料コストが上昇、少量ロットでは材料ロスコストが割高になる。
3.透光率が固定的に低下、中身鮮明展示に不向き曇り度を変更できないため、商品をクリアに見せたいパッケージには適さない。
4.在庫品番が限定、特注砂目フィルムは最低発注量が大きい砂目粗さ・曇り度ごとに在庫を分ける必要があり、細目・粗目特注フィルムはロット下限が高くサンプル作成期間も長い。
5.印刷色彩の鮮やかさが低下曇り層によりインク発色が抑えられ、カラー写真・グラデーション印刷は彩度が低くくすんだ仕上がりになる。
食品向けパッケージ、海外輸出ギフトボックス、無地単色化粧品ケース、長期店頭陳列商品、複雑な部分模様デザイン不要、耐傷性重視の包装。
高透光性の標準光沢 PET フィルムに 4 色印刷後、オフセットまたはスクリーン印刷で UV マットニスを全面または部分塗布、UV ランプで瞬時硬化させ凹凸のあるつや消し層を形成する。
1.デザイン自由度が極めて高く、部分マット対比デザイン可能ロゴ、額縁、背景だけマットにし、窓・イラスト部分は光沢を残すなど精密なエリア制御が可能。明暗対比で高級感を演出、ハイエンド化粧品・電子機器パッケージに最適。
2.基材コストが安く、曇り度調整が自在安価な透明光沢シートを使用、インク配合によりマットの濃淡・砂目粗さを自由に調整でき、つや消し質感と商品視認性を両立できる。
3.サンプル作成が柔軟、最低ロットの制限が少ない専用マットフィルムの在庫不要、既存の光沢シートですぐ試作可能。新商品少量テストのコストを抑え納期も速い。
4.色彩再現性に優れる印刷画像は光沢面内側に出力され曇り層の邪魔がないため、4 色カラー、グラデーション、箔押し模様が鮮やかに発色する。
5.各種特殊加工と併用可能UV マットニスに逆 UV、箔押し、エンボス、スクリーン特色印刷を組み合わせられ、多種特殊効果を 1 箱に凝縮し商品付加価値を高める。
1.マットの均一性が不安定で印刷不良が発生しやすい大面積全面 UV 塗布時に筋ムラ、膜厚差、光沢点露出などが出やすい。大量ロットの色差管理に高精度な機械が必要。
2.表面耐擦傷性が低くマット層が剥がれやすいUV インク皮膜の密着力に限界があり、鋭い摩擦・長時間積載輸送でマット層が削れ下地の光沢が露出。一体型マットフィルムと比べ指紋防止性能が劣る。
3.工程追加により生産期間が延びる印刷後に UV 硬化工程が追加され、人件費・電力コストが増加。少量ロットの加工単価が上昇し生産効率が低下する。
4.リサイクル・環境面の欠点がある表面に追加 UV インク皮膜が乗る複合素材のため、欧米一部リサイクル施設で分別処理が難しい。低品質ニスは VOC 残留のリスクがあり、食品パッケージには食品グレード高価ニスの使用が必須。
5.高温多湿環境で白濁・層間剥離が発生しやすい高温倉庫長期保管、沿岸多湿環境では UV マット層に気泡や部分白濁が生じ、油性化粧品内容物と接触するとインク剥がれが起きる。
高級化粧品・電子機器ギフトボックス、部分マット対比クリエイティブデザイン、国内短期流通商品、中身を鮮明に見せたい包装、新商品少量頻繁受注案件。
1.海外輸出、食品パッケージ、大量シンプルデザイン、耐傷性重視 → 一体型マットフィルム
2.部分明暗対比デザイン、化粧品・電子機器高級ギフト、色彩鮮明展示、少量試作ロット → UV マットニス印刷
3.予算制限、長期店頭陳列、無地単色シンプルデザイン → 一体型マットフィルム
4.複数特殊加工併用、透明窓付き、重厚な視覚レイヤーデザイン → UV マットニス印刷